初心者向け記事【艦これ入門】連載中

【史実】梅雨イベ~夏イベ予習

2020梅雨~夏イベの最終海域モチーフになるという南太平洋海戦について知りたいと思い、いくつか書籍を読みました。

『空母対空母 空母瑞鶴戦史[南太平洋海戦編]』

森史朗著。

空母瑞鶴と航空隊を中心に、南太平洋海戦全体を網羅する詳細な戦史本。

当時の一航戦、翔鶴、瑞鶴、瑞鳳らにくわえ、二航戦、隼鷹の各攻撃隊が波状攻撃をかけた様子、”雷撃の神様”とも称された村田雷撃長の死……。

 ミッドウェー敗北の仇を討つ。空母赤城とともに海底に沈んだ多くの乗員のために、何としてもこの攻撃は成功させねばならないのだ。

(第三章 南大平洋海戦 p221)

敵機動部隊、とくに空母ホーネットへ雷爆同時攻撃をかけた九七艦攻・九九艦爆の部隊には、ミッドウェーで壊滅した旧一航戦、二航戦の残存部隊が多くおり、雪辱に燃えていたようです。

一方でミッドウェーの失敗による恐怖から抜け出せず、米航空部隊による空襲を怖れて及び腰になりがちな司令部の様子なども描かれています。

そんな中、角田少将率いる二航戦・隼鷹は決然と攻撃を断行し、第三次攻撃まで仕掛けています。

結果としてホーネット撃沈の大戦果を挙げたものの、決死の攻撃を仕掛けた多くの搭乗員が熾烈な対空砲火に沈みました。

また物量戦へと切り替わりつつあった戦争の趨勢をより敏感に感じていたのは、日夜米軍機と戦い続ける基地航空隊の搭乗員であったり、艦載機を整備する整備班であったという描写には興味深いものがあります。

 彼ら発動機整備班は真珠湾攻撃、インド洋機動作戦までは順調に任務をこなしていたが、サンゴ海海戦、第二次ソロモン、南大平洋両海戦と熾烈な戦闘を経験して、(どうやら様子がヘンだぞ)と雲行きの怪しさを感じはじめていたのだ。いったん零戦を無事整備完了して全機発艦させたあと、被害機が多く出て帰還収容して再整備する、ほんらいの点検修理作業が無くなってしまったのだ。これ以降、しだいに激化する航空消耗戦を、身をもって実感していたのだ。

(第六章 米空母ホーネットの最期 p437)

その他

この戦いで、二一号電探や二式艦上偵察機が新たに実戦投入されたそうです。

「ご安心下さい。電探員の訓練もおえ、みな張り切って任務についております。100キロ圏内なら、確実に敵機をとらえるでしょう」
中島情報参謀が自信ありげに、即座に返答した。出撃前に旗艦翔鶴艦橋上に取り付けられた二一号型電波探信儀は、担当が同艦通信長赤尾俊二少佐だが、司令部の中島少佐自身が直接指揮に乗り出していたから、力の入れようも半端ではない。

(第四章 瑞鶴艦攻全機発進 p264)

また南大平洋海戦では、ミッドウェーの戦訓からダメコンを徹底し、可燃物を排除するなどの対策が取られていたそうです。

ぜんたいに駆逐艦の動向についてはあまり触れられていないのですが、秋雲の「イラスト好き」の元ネタにもなった、沈没するホーネットを探照灯で照らして模写したというエピソードが紹介されています。

『海軍主計大尉の太平洋戦争』

高戸顕隆著。

主計科士官として駆逐艦・照月に乗船した高戸大尉の手記。

南大平洋海戦、第三次ソロモン海戦、ガダルカナル島輸送作戦……の一連の流れを照月の視点から見渡すことができます。

南大平洋海戦では翔鶴の直衛についた照月ですが、必死の対空砲火もむなしく、翔鶴は中破。飛行甲板は使用不能になってしまいました。

みずからも傷ついた照月は、やがて回航したトラック泊地で工作船・明石に横付けされて修理を受けています。

ガ島輸送作戦ではドラム缶を用いた輸送に苦慮します(長波の台詞にある「ドラム缶……」はこの作戦が元ネタ)。

照月はガ島輸送作戦の最中、魚雷艇の攻撃を受けて航行不能、自沈処分となりましたが、乗員の多くはガ島に上陸して救出を待っており、その間、食料に困窮する様子も描かれています。

『ラバウル海軍航空隊』

奥宮正武著。

『空母対空母』にも登場した奥宮正武少佐(南大平洋海戦では航空参謀として隼鷹に乗艦)による、ラバウル方面の海軍航空隊をめぐる戦史。

ラバウル進出からはじまり、珊瑚海海戦、ミッドウェー、第一~二次ソロモン海戦、南大平洋海戦やその後の海戦・航空戦を通し、ラバウルに設営された航空部隊の活躍や苦心を描いています。

著者はガダルカナル島の飛行場施設に様々な問題があったと指摘し、そのひとつとしてラバウルからの距離が遠すぎる点を挙げています。

 太平洋戦争初期のわが海軍航空機の性能を考慮すると、航空基地を敵地に推進する場合には、わが方が優勢な場合でも、既設のわが海軍航空基地から約三〇〇浬の距離を置くことが適当であると信じられてきた。このことは、第一段作戦(昭和十六年十二月から十七年五月まで)終了までの経過がよく物語っていた。
第一段作戦における東南アジア方面における航空基地の推進状況で、最大の距離は、フィリピンのルソン島の南端レガスピとミンダナオ島のダバオの間の三八五浬であった。これらは、いずれも、制空権獲得の主役である零式艦上戦闘機の性能から見て、適当な距離であった。
ところが、南大平洋方面では、米濠遮断作戦構想が脳裏にあったことと、わが海軍が航空部隊の実力を過信したことなどが主な原因となって、ラバウルから実に五六〇浬(約一〇〇〇キロ)も離れたガダルカナル島に陸上飛行場の建設が急がれることとなった。(後略)

(ガダルカナル島の攻防戦 p69)

また日本軍は揚陸能力の向上をおこたり、しかもアメリカ軍の輸送・揚陸能力を過小評価していたとも指摘しています。

艦これの海域5-3は第一次ソロモン海戦がモチーフとなっていますが、このマップにはPマス(補給艦マス)への能動分岐があります。これは、

 以上のように、本海戦が一段落した時には、わが艦隊が極めて優勢であったにもかかわらず、残敵を、特に輸送船団を取り逃がしたことが後に大きく尾を引き、その過ちを遂に償(あがな)うことができなかったことは争えない事実であった。

(同 p81)

……といった事情によるもののようです。

今回のイベントにガダルカナル島への輸送作戦があるかどうかは分かりませんが、もしあるとすれば、このあたりを念頭においてマップを見てみると面白いかもしれません。

まとめ

ソロモン諸島をめぐる緒戦は連合国による反攻のはじまりと見ることもでき、激戦の多く戦われる戦場となりました。

戦いの主流は基地航空隊による航空戦なのですが、その流れの中で行われた機動部隊同士の艦隊決戦が、珊瑚海海戦、ミッドウェー、第二次ソロモン海戦、そして南大平洋海戦です。

攻撃時に両軍の攻撃隊がすれ違うなど、その航空戦は機動部隊による「殴り合い」と形容するにふさわしい決戦であったと言えます。

またこの戦いの主因となったガダルカナル島の存在感も大きく、ヘンダーソン飛行場は過去のイベントでもテーマになっていたそうですが、今回も何らかの形で登場するのではないでしょうか。

最終海域の含まれる後段作戦の解放はイベント開始からしばらく後になると思いますが、楽しみに待ちたいと思います。

その他参考書籍

下記の書籍にも、部分的に南大平洋海戦について触れている章があります。


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